2016年12月7日水曜日

地中海の歴史と経済のお話 About Mediterranean Country & Story (1)



地中海周辺諸国と経済ネットワークコンファレンス
About Mediterranean Country & Story (1)








先週、バルセロナで開催された

MEDA week (Mediterranean Week of Economic Leaders) に

仕事と勉強をかねて参加してきました。







招待状が必要なこのイベントは、

今のところ限られたネットワークを持っていないと参加できない類のコンファレンスですが、

私はそのありがたい機会に恵まれて3日間にわたって開催されたいろいろな会議を視聴するためにフルに参加してきました。



このコンファレンスは、地中海地域のビジネスネットワークを活性化させるために発足されたもの。

今年で開催10回目を数えますが、このコンファレンスが発足した歴史と背景は奥の深いものがあります。



このような政治経済の話題をベースにした会議に参加すると、

地中海という美しい海を囲む地域で、長いあいだにわたって育まれてきた環境は、

美しい景色や風景だけでなく、

複雑にからんだ糸がいまだにほどけていないしがらみがたくさん存在していることを

あらためて実感させられます。







ヨーロッパから遠く離れた日本で培われている世界観は、

アメリカや環太平洋地域の一員として、

かつアジア地域との政治経済的つながりに重点が置かれています。

そこから一転、

ヨーロッパを背中にしょいながら、

アフリカや中東地域を含む地中海地域に面しているスペインという国へと移動をした私。



私は世界においてここに位置するこの地域で、具体的にどのような課題があるのか、

そしてそのためにどのような動きがあるのかを、今、少しずつ学んでいます。



これも、スペインに来たきっかけのひとつなのでしょう。

10年前にスペインで生活を始めた当初は想像もしなかった世界が開けていくのを体験しながら、

自分にできる役目を考えています。



日々の生活のなかでも実感するのは、

あまりにもこの地域に対しての知識や情報が、日本に届いていないこと。

日本が、地理的にも政治的にも、あまりにもこの地域から遠いこと。

ニュースで報道されることや、インタ−ネットで検索して出てくることの情報の量と範囲の違いを感じながら、

こちら、ヨーロッパ、中東、アフリカ地域を含む地中海地域と、

日本や環太平洋地域との距離があまりにもあることを実感する機会が多くあって、

世界の距離は縮まったとはいえ、いまだに世界の地域差や情報差を感じます。


世の中には、自分に関係のない世界のことで、知らなくてもいいことも多いかもしれませんが、

「無関心」という言葉で片付けてしまうにはもったいない、

素晴らしい智慧を見つけるきっかけを無視しなくてもよいのではないかと思うことが多々あります。



また、知らないからこそ恐怖を生み出すことがあります。

そのような恐怖をなくし、距離を縮めるのは、智慧をつけること、お互いを知ること。

その行為が大きな助けになることもあると思います。




日本の外に出て生活をして10年あまり。

今は、日本の人たちがどのくらい、世界に対して関心を広げているか、それについてもを考える機会にたくさん触れるようになりました。

多くの国があるなかで、世界の中でも先進国として、いろいろな意味で尊敬や期待を集めている日本は、

周りから関心を寄せられているのと同じくらいに、世界へ関心を持っているかとくと、そうではないような気がします。


良いか悪いかは別として、世界のなかの日本、という本当の意味での意識は

まだ多くの人に広がっていないのではないでしょうか。




そういう私自身が、人生の半ばにいたるまで、

本気で自分の存在や日本と世界という関係を考える機会をもたないできたのですから、

あまり大きなことは言えません。

また、スペインに住んでいながらも、

日々の生活のなかで、世界の動きに無関心でいれば、

日本で住んでいるときと変わらず、世界に無関心な一人でいることもできることでしょう。



でも、ここにいて、いろいろな仕事を通して人に関わっていくときに、

日本の人たちからいろいろ尋ねられたときに、

あるいはスペインやヨーロッパの国の人たちに日本のことを尋ねられたときに、

私ができることといったら、


日本の文化や教育を受けて生きて来た日本人である自分が、

スペインに住んでいながら得た知識と経験とをふまえた見解を、

双方にシェアすることかな、とおこがましいながらも思っています。


たくさんの人たちに、特に若い世代の人たちに、

世界を見る機会をもっと持ってほしいな、と思います。

日本の良さを大切にしながら、世界を知って行ってほしいなと思います。


そう思うようになってから、

もっと積極的に自分の経験を発信しようという気持ちになってきました。

事実を伝えるというのではなく、私の視点で見たものですので、

私の意見や見方を伝えていくのですから、ニュートラルというのは難しいでしょうが、

少しでも地中海地域への関心を深めてもらうきっかけになればと思いながら書いています。


そして私自身も、もう少し自分の住んでいる地中海地域について、知識を深めていこうと思っています。

少しでも、みなさんの世界観を広げるお役に立てたらいいな。


そう思いながら参加したMEDA week (Mediterranean Week of Economic Leaders) でした

ちなみに、こういうイベントは、

政治や経済に関心の深い学生や若くて知識欲と行動力のある人たち、

また実行力のあるプライベートセクターなどにもっと情報がいって、

そういう人たちが積極的に参加できるようになるといいな、と思いました。


またこのコンファレンスに関わることや、

地中海地域に関することをお話できる機会を持てるようにしたいと思います。










2016年1月14日木曜日

カツオを生で食べるのは勇気がいること!?

今日は久しぶりにPescaderíaお魚屋さんへ行ってきました。さて、今日は何があるかな。





市場に朝一番ででかけて、Pescaderíaお魚屋さんや八百屋さんverduleríaで買い物をする。
そしてそこで買ったお魚を野菜をお料理できるのって、ある意味とってもラグジュアリーなことです。お勤めをしている人だと、なかなか実現できないことですよね。

さて、今日は一日家で仕事だったので、お魚を料理しよう、と決めたのでした。だから、 午前中のうちにお買い物へ。今日は市場ではなく、同じ村にある魚屋さんへ直接買いに行きました。市場にもお店を出しているこのお魚屋さんは、質の良さと新鮮さでとても評判が高いのです。

日本料理の本を見ながら、先日から気になっていたサバの南蛮漬けとかいいよなあ、とか思いながら順番を待っていたら、私の前の人が、Un bonito pequeño 小さなカツオをさばいてもらっていました。さばいた身頃がピンク色でとっても新鮮!それをみて思わず、カツオのお刺身が食べたくなってしまいました。
実際の色はもう少し赤ピンクです。

値段を聞いたら、なんと一匹8ユーロほどというではありませんか!!
1kgちょっとくらいの大きさだと思うんだけれど、前の人のを見ていたら十分に柵がとれていたので、じゃあ、それにします、と言ったら、しっぽの部分に水揚げした時に船でついた傷があるから安くしてあげるって言われて、なんと結局6ユーロでした。

私が「これをお刺身か「づけ」にして食べようって思っているの。すっごく新鮮で美味しそう!」と言ったら、お店のお姉さんは
「そうよねぇ。私たちには生魚の切り身の状態では、美味しそうとは思えない状態だけど、あなたたち日本人には、この(生の切り身の)状態でおいしく見えるのよねぇ。」
と感心されてしまいました。

それもそうです。こちらではこんなに新鮮なカツオなのに生では食しません。特にbonito カツオ、caballa サバなど青さかなは、アニサキスという虫の影響を受ける可能性を懸念して絶対に火を通します。ようやくお寿司やお刺身で食べるのに慣れてきたatún マグロですら、生で食する時には冷凍しなければなりません。だから、生の切り身の状態ではよだれもでてこないんですね。

まあ、caballa サバや bonito カツオという魚を生で食す文化ではないので、みんなカツオを生で食べるというと未だにぎょっとされることも不思議ではありません。私もときどき、アニサキスのことを考えもするけれど、運の良さと丈夫な胃腸に感謝して、おいしく生でいただきます。

小イワシのフライ。そのままパクパク
今日はお醤油で30分ほどづけにして、jengible しょうがとcebollino セボリーノのみじんぎりで、白いご飯と一緒にいただきました。おまけに、しじみのかわりに作ったmejillones ムール貝のお味噌汁も作りました。それと小さなイワシの揚げ物も。Pescados fritos と言われ、こちらではよく食される調理法で、新鮮なイワシをサクッと熱々で食べられるのが美味しくって、ついついcerveza ビールとか冷やした vino blanco


ムール貝でお味噌汁作ってみました。お椀に入らなかった
白ワインが飲みたくなっちゃいます。(今日は飲まなかったけれど)

シンプルだけど、新鮮なお魚を買ったその日に食べるという贅沢の極み。海のある街に住んでいてよかったな、としみじみ幸せをかみしめています。